生活の中でどうしてもストレスや負の感情などの邪気が溜まってしまうことは避けられないことです。しかし、そのような状況でも自覚がないまま邪気が溜まり続けると、身体や心の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。そうならないように、定期的にストレスや負の感情を解消し、邪気を払って心身を軽くすることは重要です。
神社で邪気払い
【大祓】 半年間の罪穢れを払う
夏と冬の年に2回、全国の神社で恒例式となっている「大祓」という神事があります。
夏に行われる大祓が「夏越の大祓」毎年6月30日に行われます。
その後、12月31日の大晦日に行われる大祓が「年越しの大祓」です。
そして同じく、最近では一年を通して見かけることもありますが、
6月と12月になると神社の境内に茅(ち)の輪と呼ばれる
茅(かや)で作れた大きな輪が置かれます。
大祓の儀式
まず最初に茅の輪をくぐった後、人形(ひとがた)という
人の形をした紙に名前等を書いて、身体をさすります。
その後、3回息を吹きかけて、半年間、知らず知らずのうちに
溜めてしまった厄や罪穢れを祓い給わり、
無病息災を祈願する大祓。
その当日は、神社や一部の寺院でその神事が行われ、
参加者は神職の指導のもとに、厄払いの儀式や神前で
祈祷を受けます。
この祓いの儀式は、草木や水など自然の力を使って、
心身を清め邪気を払うものであり、新しい季節を迎える前に
清らかな心と体を整える意味があります。
大祓は、一年のうちで特に厄が溜まりやすいとされる
季節の変わり目の時期の少し前に行われるため、
多くの人々が参加し、厄払いや悪い運気を祓って新たな幸運を招くと信じられています。
毎年大祓が行われる当日に神社に行けなくても
6月と12月頃に大きめの神社に参拝に行くと、事前に人形を納めることができます。
今は郵送で受け付けてくれる神社もありますので、
厄を大きく溜めないためにも、年2回の大祓はおすすめです。
その時は、ご家族も誘って…♪
家族は運命共同体です。おひとりやお友達同士で行かれてもよいのですが、
ぜひ、ご家族でいかれると家系の運気アップにつながります。
茅の輪の始まり
日本の神話『備前風土記』にあるそうです。
昔々貧しい兄と裕福な弟がいて、
スサノオノミコトが旅をしているときに
弟の巨旦将来(こたんしょうらい)は裕福なのに難癖をつけて
宿を貸さず、兄の蘇民将来(そみんしょうらい)は貧しいのに喜んで宿を貸し、
精いっぱいおもてなしをしました。
快く泊めてくれたお礼にスサノオノミコトは
「もしも疫病が流行したら、この茅の輪を腰につけなさい。疫病から免れることができるであろう」と
茅の輪を授け、蘇民将来の子孫は疫病から免れることができ、
その後、子孫繁栄していったというお話があるそうです。
腰につけるくらいの大きさの茅の輪がやがて身体全体を囲むような大きな茅の輪となり、
1年に2回無病息災や厄難消除の祈願として全国の神社で神事として
大祓が行われるようになったといわれています。
自宅でできる夏の邪気払い
夏の邪気払いとして、自宅で風鈴を窓際に飾ることは効果的な方法です。風鈴は風に揺られることで独特の美しい音色を奏で、その音が環境を清め、邪気や悪霊を払うと信じられています。特に夜に窓を開けて風が通り抜けるとともに風鈴の音が響くと、その清らかな音が家の中に広がり、邪気を祓う力が強まります。
風鈴の音色が聞く者の心を和ませ、悪い気を祓い、清浄な気を引き寄せるとされ、風鈴が風と共に鳴ることでその力がさらに増します。この風習は日本の文化や風土に根付いており、家庭で行う夏の邪気払いに取り入れることで、清らかな気を感じ、心身を清めることができます。
自宅でできる冬の邪気払い
冬の邪気払いとして、冬至にゆず湯に入ることは古くからの日本の風習です。冬至は一年で最も日が短い日であり、寒さが一段と厳しくなる時期です。この日にゆず湯に入ることで、身体を温め、心身を清め、邪気を払うとされています。
ゆず湯は、湯船にゆずの果皮を入れて入浴することで、ゆずの香りと成分が湯の中に広がります。ゆずの香りはリラックス効果があり、温かいお風呂に入ることで身体を温め、血行を促進します。また、ゆずには清浄な力があると信じられており、湯船に浮かぶゆずの果皮が身体や心を清め、邪気を払うと考えられています。
冬至にこの意図を持って、ゆず湯に入ることで、一年の厄や穢れを洗い流し、新たな年の始まりを清らかな気持ちで迎えることができます。この伝統的な風習は、日本の文化や風土に根付いており、家庭や温泉などで大切にされています。ゆず湯に浸かりながら、心身を温め、清め、そして新たな年の幸せを祈ることができます。