陰陽の調和が人生を整える。

私たちが生きているこの世界には、常に「陰」と「陽」というふたつのエネルギーが存在しています。

陰陽とは、あらゆる物事が相反する性質を持ちながらも、互いに支え合い、バランスをとって成り立っているという、古代中国の知恵に基づいた考え方です。

たとえば──
は「暗さ」「冷たさ」「受け身」「内向き」のエネルギー。
は「明るさ」「温かさ」「行動」「外向き」のエネルギー。

月と太陽、静けさと賑わい、受け取ることと与えること。
そして、もしかすると、女性性と男性性もその一つかもしれません。

一見すると正反対のようですが、どちらかが欠けても、世界はうまく回りません。どちらも一つの生命のサイクルを作る、大切なエネルギーなのです。

陰と陽、どちらも「大切な存在」

私たちは、つい「明るく前向きであること(=陽)」ばかりを良しとし、「疲れて動けない」「思うようにいかない」といった状態(=陰)を否定しがちです。

でも実は、それも自然なリズムの一部。

「陰が極まれば陽となり、陽が極まれば陰となる」
という言葉があるように、どんなに暗く感じる時期にも、その奥には次の光が準備されています。

たとえば──
何もやる気が起きない日があるのは、エネルギーを充電している時間。
うまくいかないと感じるときこそ、自分の軸を見直し、整えるチャンス。

だからこそ、落ち込むことも、迷うことも、無理にポジティブに変えようとしなくて大丈夫なんです。

「今は陰の時間なんだな」
と、そっと受け入れるだけで、次の陽への流れが自然と始まります。

陰陽の象徴「太極図」が教えてくれること

陰陽太極図

陰陽といえば、よく見かける白と黒の渦巻きの左の図。
これは「太極図(たいきょくず)」と呼ばれます。

白(陽)の中には黒い点(陰)があり、黒(陰)の中には白い点(陽)がある。
この図が伝えているのは、
「陽の中にも陰があり、陰の中にも陽がある」ということ。

たとえば、一見「善」とされるものの中にも、過剰さや傲りといった「影」が潜んでいることがあります。
逆に、「悪」と見えるものの中にも、学びや気づき、内省のきっかけといった「光」が含まれていることもあるのです。

だから私は、「善の中にも悪があり、悪の中にも善がある」と捉え、物事は慎重に見極めていきたいと考えています。

どちらか一方を完全に切り離すのではなく、その奥にある本質を見つめることで、より深い調和や理解が生まれるのではないでしょうか。

また、笑顔の裏にある疲れや、優しさの中にある強さ。
一見「光」と見えるものにも、静かな「影」が息づいています。
そして「闇」と感じるものの中にも、小さな光が確かに宿っているのです。

なので、どちらかが「善」で、どちらかが「悪」というわけではなく、どちらも必要で、どちらも尊い存在。
陰陽の世界は、そんなふうに、私たちにバランスの大切さを教えてくれていると感じます。

「ちょうどいい私」でいるために

陰と陽が調和した状態を、「中庸(ちゅうよう)」と言います。

それは、無理をせず、過不足なく、自然体でいられる状態のこと。

がんばりすぎたときは休み、足りないと感じたら補う。
完璧じゃなくていい。
バランスが取れていることが大切なんです。

令和という時代も、「令=ゼロ」「和=調和・輪」と読み解くことができます。
この時代は、まさに“中庸”=陰陽のバランスを大切に生きていくことが、求められているのかもしれません。

バランスを取り戻す生き方

パワースポット北口本宮冨士浅間神社

陰も陽も、どちらもあってこそ、私たちは整います。

どんな感情も、どんな状況も、否定する必要はありません。
そのすべてに意味があって、役割があります。

今、もし心が揺れていたり、思うように進めない日があったとしても、
それはきっと「陰」の時間。
大丈夫、それは次に訪れる「陽」の前触れです。

あなたの内なるバランスに耳を傾けながら、
「ちょうどいい私」でいられる毎日を、少しずつ歩んでいきましょう。

合わせて読んでみて

✿心のヒーリングサロンsumika✿
遠隔ヒーリングとお悩み相談

お話セッションのご案内