江戸時代の人々も行っていた朔日参り(ついたちまいり)という風習があります。
古来の人々が「お天道様」「お月様」「お星様」に感謝し、自然の流れに寄り添って生きてきた姿勢が、現代においても自然と感謝する心を大切にする習慣として根付いています。
つまり、朔日参りは単なる習慣にとどまらず、古くからの「自然と調和する心」「感謝する心」を現代に伝える重要な風習といえますね。
江戸時代から続く習慣
お正月1月1日の「初詣」から始まり、「先月を平穏無事に過ごせたことへの感謝」と「新しい月の祈願」を込めて、毎月1日に氏神神社や産土神社に参拝する習慣が「朔日参り」です。
昔の日本では、太陰太陽暦(旧暦)が使われており、新月の日を「朔日(ついたち)」と呼び、物事の始まりを意味するこの日に神社を参拝する習慣がありました。
※月のサイクルのエネルギーで、新月は物事の始まり、そこから15日目が満月で完了や達成の時期と考えられています。
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太陽暦(新暦)になった現代では、毎月1日が必ずしも新月と一致しません。
ですが、昔の風習を受け継ぎ、毎月1日を「物事の新たなスタート」として神社で祈願する良い機会とされています。
そして、このように昔から続いてきた習慣により、1日と15日は、エネルギーが強まる日とも言われています。
朔日参りの意義とは?
神社では、半年に一度「大祓(おおはらえ)」という神事があります。これと同様に、毎月1日に朔日参りに行習慣によって、半月ごとの振り返りとリセットができます。
そうすることで、大きな厄をためることなく、また、迷うことなく進んでいくことができます。
そして、定期的に参拝に行くことで、ご縁が深まり、その結果、守護力も高まっていくのです。
…ということで、私は地元の
日光二荒山神社に朔日参りに行って来ました。
朝早めに行ったので、人も少なく清々しかったです。
そして、風鈴祭りも開催されていました。
心に響きます…
朔日参りの作法(やり方)
作法は、神社によって異なることもありますが、基本的な流れをご紹介します。
朔日参り(ついたちまいり)は、毎月の1日に行います。新しい月が始まる最初の日に、神社を訪れてその月の安全と無事を祈る習慣です。
時間帯に特に決まりはありませんが、一般的には早朝に参拝することが良いとされています。
朝の新鮮な空気と清らかなエネルギーを感じながら祈ることで、一日のスタートだけでなく、その月全体がポジティブなエネルギーで満たされると言われています。
ただし、仕事や家庭の事情で朝に行けない場合は、1日の間で自分の都合の良い時間に参拝しても問題ありません。大切なのは心を込めて感謝と祈りを捧げることです。
参拝方法
基本的に普段の神社参拝と同じ作法で大丈夫です。
特別な方法を求められるわけではなく、心を込めて感謝を伝えること。
無事に過ごせるように祈ることが大切です。
基本的な参拝の流れ
- 鳥居の前で一礼 神社に入る前に鳥居の前で軽く一礼し、神域に足を踏み入れます。
- 手水舎で手と口を清める 手水舎で手や口を清め、心身を清めます。この作法は普段の参拝と同様です。
- 拝殿での参拝作法
- 二礼二拍手一礼の形式で参拝します。
- 二礼:深くお辞儀を2回します。
- 二拍手:手を胸の前で2回拍手します。
- 祈る:心の中で感謝の気持ちや今月の安全を祈ります。
- 一礼:もう一度お辞儀をします。
- 二礼二拍手一礼の形式で参拝します。
朔日参りならではのポイント
- 感謝の祈り
- 今までの無事や恩恵に対する感謝の気持ちが大事です。
- 心の整理
- 新しい月を迎える前に、気持ちを一旦リセットしましょう。
- 目標設定
- 今月は何を達成するかを宣言してみましょう。行動に起こすことが大事です。
朔日参りと言っても、日常の参拝と変わらない気持ちで大丈夫です。
清々しい心を持って参拝すれば、それが最も大切な朔日参りの形です。
毎月、継続して行うことで、心身の浄化やポジティブなエネルギーを感じられます。
朔日参りに行くならどこの神社がいいの?
1. 地元の氏神神社
氏神様は、その土地を守護してくださっています。平穏無事に過ごせていることへの感謝を捧げることで、その土地での暮らしがより豊かになり、心の平安を得ることができます。自分の地元の神社を調べて、毎月その神社を参拝する習慣を持つのも良いですね。
2. 自分がよく参拝している神社
普段から参拝している神社があれば、きっとご縁も深いので、朔日参りもそこで行うと良いです。いつも訪れている場所は、よりリラックスして祈りに集中できることもありますからね…
3. パワースポットとして有名な神社
特別なエネルギーを感じたい場合は、パワースポットとして知られる神社に行くのもおすすめです。例えばですが、以下のような神社が有名です。
- 日光二荒山神社(栃木県)
男体山の麓にあり、山のエネルギーを受けられる神社です。特に神聖な雰囲気を感じる場所で、朔日参りをするのに最適です。 - 香取神宮(千葉県)
経津主大神を祀る香取神宮は、武道や精神的な強さを求める人々に人気です。特に心を鍛えたい時や新しいスタートを切りたい時に参拝すると良いでしょう。 - 鹿島神宮(茨城県)
武士道や不動心を象徴する鹿島神宮も、精神を強く保つための場所として朔日参りにおすすめです。
4. 御神徳が自分の願いと合う神社
神社にはそれぞれ、祀られている神仏の御神徳(得意分野)があります。願い事や目標に応じて、その後利益が得意とされている分野の神社を選ぶのも良い方法です。
神社での祈り方|「願い」より「祈り」を大切に…
「○○して欲しい、○○して欲しい」と願うではなく、「○○します。○○します。」と祈ります。
願っているだけだと、待ちの姿勢なので、現状が変わりにくいのです。
祈りとは、今、この時までの感謝とこれからの自分の行動(思考)に対して宣言すること。祈って行動することによって、変化や奇跡が生まれます。
長く神社仏閣に通う中で感じるのは、日々の感情の乱れや悩み事が、自分の中のズレとして現れていることに気づかされます。そして、神社を参拝することで、心の調和を取り戻し、心をリセットの場所になっています。
祈りで運気を上げる朔日参りの効果とは?
定期的な朔日参りをすることで神仏とのご縁が深まるそうです。また、守護力も高まり、日常に良い流れや奇跡が起こりやすくなると言われています。
実際には、祈りによって自分自身との繋がりも深くなります。自身の意志を明確にし、その意志に基づいた行動をすることで、人生がより良い方向へ進んでいくという流れができてきます。
また、感謝の祈りは私たちの心を穏やかにし、精神的な強さや柔軟性を育んでくれます。
人生は自分で創るもの
私たちの人生は、思考や行動によって形作られています。状況が思い通りにならないこともありますが、それにどう向き合うかは自分次第です。神社での祈りは、自分の本当の望みに気づき、それに向かって進むきっかけを与えてくれます。意志を明確にし、行動を通じて、望む未来を創り出すのです。
定期的にご神氣に触れることで、心身が浄化され、内面から強い意志が湧き出てくるのを感じるでしょう。それが、真の自分とつながる感覚です。
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