エゴという存在と抵抗感



「変わりたいけど、不安や迷いがある…」という感覚は、エゴが生み出す抵抗感です。エゴは私たちを守るために、今までの現状維持を望みます。なぜなら、エゴは変化を危険だと感じ、未知の状況に対して恐怖や不安を引き起こすからです。

行きたくなくなったり、スケジュールが急に変わったり、体調が悪くなったりすることも、実はエゴが変化を避けようとして作り出す現象です。エゴは「今の自分」が最も安全だと信じているので、変化を恐れ、それに対する理由を次々と見つけ出してしまいます。

しかし、エゴが抵抗を感じるときこそ、大きな成長のチャンスです。エゴを理解し、その抵抗感を超えることで、私たちは新しい自分に出会い、魂の成長に繋がります。

エゴって何?

エゴとは、心理学やスピリチュアルな観点で使われる概念で、「自我」を指します。エゴは私たちの個人的な自己意識や、自分を他者や環境から切り離して認識する感覚のことです。エゴは、自分のアイデンティティや欲望、思考、感情を形成し、日々の意思決定や行動に影響を与えています。

エゴの役割

エゴは、私たちが自分を守るために大切な役割を果たしています。エゴには、自己防衛現状維持を求める性質があり、特に変化や不安定な状況に直面したときに強く働きます。これにより、エゴは私たちを「安全な領域」に留まらせようとします。

  • 自己認識:エゴは、自分が誰であり、何を大切にしているかを認識し、それに基づいて行動します。
  • 自己防衛:エゴは、自分が傷つかないように守るために、批判や変化から身を守ろうとします。
  • 現状維持:エゴは変化を恐れ、安定した状態を維持しようとします。これが抵抗感や恐れの原因となることがあります。

エゴと抵抗感

エゴは変化を恐れる存在であり、特に未知のものや挑戦に対して強い抵抗感を感じさせます。これが現状維持を求める理由の一つです。脳が安全性を重視するのと同じように、エゴも「今までの自分」を守ろうとし、新しい自分や成長の機会に対して抵抗します。

  • たとえば、新しい挑戦をしたいと思っても、「自分にはできないかもしれない」「失敗したらどうしよう」という思考が出てくるのは、エゴが過去の経験に基づいて自己防衛しようとしているからです。

エゴのバランス

エゴは私たちにとって不可欠な存在ですが、過度にエゴに支配されると、成長の機会を逃したり、他者とのつながりを阻害したりします。そのため、エゴを認識し、その影響を超えて行動することが、個人の成長魂の進化に繋がります。

エゴを乗り越えるためには、まずエゴが生み出す抵抗感や恐れを理解し、それを受け入れた上で、意識的に変化に向かって一歩を踏み出すことが大切です。

脳も同じ仕組みで動いている

脳は安全安定を最優先にしています。進化の過程で、人間の脳は未知の環境や危険を避けるために、安定した状態を保つことが生存に有利だと学んできました。このため、変化や挑戦に対しては不安や恐怖という形で抵抗感を生み出し、リスクを避けようとします。

ここで関わるのが、脳のいくつかの仕組みです。

ホメオスタシス(恒常性維持機能)

ホメオスタシスとは、体や脳が常に一定の状態を保とうとする機能のことです。これは体温や血圧を一定に保つだけでなく、習慣や行動にも影響を与えます。たとえば、毎日同じルーティンを繰り返すことで、脳はエネルギーを節約し、効率よく機能します。

しかし、これが原因で新しい挑戦や変化に対しては不安を感じ、脳が「これまでの安定した状態を維持しよう」と働きかけるため、抵抗感が生まれます。つまり、脳にとっては、現状を維持することが一番の安全策と考えているのです。

恐怖や不安を引き起こす脳の構造(扁桃体)

脳の中には、扁桃体という部位があります。扁桃体は、恐怖や不安などの感情を司り、危険を察知した際に警告を発します。新しいことや未知の状況は、扁桃体にとって「危険」として認識されやすく、私たちに不安や恐れという感覚をもたらします。

たとえ新しい挑戦がポジティブなものであっても、脳はそれを「未知のリスク」として捉え、扁桃体が警戒することで抵抗感が生じます。

快楽と報酬のシステム(ドーパミンと習慣形成)

脳は、行動の結果に対して報酬を求める性質を持っています。これは、ドーパミンという神経伝達物質の作用によるものです。ドーパミンは、達成感や快感を感じたときに分泌され、脳はその感覚を「良いこと」として記憶します。これによって、私たちは習慣的な行動を繰り返すようになります。

しかし、新しい挑戦はすぐに報酬が得られるわけではないため、脳はそれを「リスクが高く、報酬が少ない」と判断し、抵抗感を感じさせます。結果が不確実なことに対しては、脳がそれを避けようとするのです。

抵抗感はチャンスのサイン

私たちが何か新しいことを始めようとするとき、必ずと言っていいほど感じるのが「抵抗感」です。例えば、大きな決断をしようとした瞬間に、不安やためらいが湧き上がることがありますよね。これは、脳やエゴが現状維持を好むために引き起こされる自然な反応です。しかし、実はこの抵抗感こそが変化のチャンスのサインなのです。

抵抗感が大きければ大きいほど、その先には大きな成長や新しい可能性が待っていることが多いのです。たとえば、今まで避けてきたチャレンジや苦手だと思っていたことに向き合うと、その抵抗を乗り越えた瞬間、自分が一歩成長したことに気付くはずです。

**「抵抗を感じたら、それは進むべき道だ」というサインと捉えましょう。**抵抗感は決して逃げる理由ではなく、むしろその先にある変化と成長への扉です。次に抵抗を感じたとき、恐れずにその扉を開けてみてください。その一歩が、あなたにとって新しい可能性と成長をもたらすでしょう。

頼まれごとは試されごと

日常生活や仕事の中で、時々自分の力を超えるようなことを**「頼まれる」**瞬間があります。その時、私たちはつい「自分には無理だ」「もっとできる人がいるのに」と感じてしまいますよね。しかし、実はその頼まれごとこそが、自分が成長するチャンスだということに気づいていますか?

昔から「頼まれごとは試されごと」という言葉があります。これは、頼まれたことは単にお願いされているだけではなく、自分が次のステージに進むための「試練」や「挑戦」である、という意味です。つまり、今の自分には少し背伸びが必要なことにあえて挑むことで、新しいスキルや自信を手に入れるチャンスなのです。

少し無理だと思うことにこそ、私たちの成長の種が隠れています。実際に引き受けてみると、最初は不安だったことが意外にもできたり、挑戦を通して自分の限界を広げたりすることができます。そしてその過程で、自分が持っていた可能性に気づき、さらに大きな挑戦へと進んでいけるのです。

次に頼まれごとをされたとき、恐れずに受け入れてみましょう。それはあなたに新たな道を切り開くための「試されごと」であり、今の自分を超えるチャンスなのです。

宇宙のタイミングじゃないの?

スピリチュアルな観点で、日程が合わないとか予定が崩れるといった出来事を「まだその時期ではない」と捉えることがありますが、これは宇宙や運命がタイミングを整えているという考えに基づいています。対して、抵抗感は、個人の内側から湧き上がる感覚や心のブロックであり、主に自分自身の心の状態エゴが変化や挑戦を恐れて生じるものです。

両者の違いを簡単に説明すると、次のようなポイントが挙げられます。

1. 日程が合わない(スピリチュアルなタイミング)

  • 外的な要因による現象(予定変更、体調不良、自然現象など)。
  • スピリチュアルな視点では、宇宙の意図やタイミングに沿って、まだその出来事が起こる準備ができていないと考えます。
  • メッセージとしては「今はその時ではない」「もう少し待つ必要がある」という導き。

例:
「旅行を計画していたのに急に仕事の予定が入って行けなくなった。それはまだその場所に行くタイミングではなかったのかもしれない。」

2. 抵抗感(個人的なブロック)

  • 内的な要因によって生じる感情や心の状態(不安、恐れ、迷いなど)。
  • 自分の心が変化を恐れたり、エゴが現状維持を好んで、抵抗感を感じさせます。
  • メッセージとしては「変わることに対する恐れを感じている」「成長するためにこれを乗り越える必要がある」という内面からのサイン。

例:
「新しい仕事に挑戦したいけれど、急に不安や迷いが強くなってやめたくなった。でもそれは、自分が現状から脱却しようとしているサインかもしれない。」

違いのポイント

  • スピリチュアルな日程のズレは、外的な要因宇宙のタイミングに委ねられる感覚です。「まだ時期が来ていない」と捉えることで、自然な流れに任せることができます。
  • 抵抗感は、内的な感情や心のブロックであり、個人の成長や変化に対しての恐れから来るもの。抵抗を感じたら、それを超えていくことが成長や新しいステージへの鍵となります。

どちらも重要なサインですが、スピリチュアルな日程のズレは「自然の流れに従う」という感覚が強く、抵抗感は「自分の内面に向き合って成長するための課題」として捉えるとよいでしょう。

やりたくないことをやる大切さ

私たちは、自然と「やりたくないこと」を避けようとしてしまいます。無理をしたくない、失敗したくない、楽なほうを選びたい—これは誰にでもある感情です。しかし、本当の成長や変化は、あえてやりたくないことに挑戦することで訪れます。

たとえば、苦手な人と話さなければならない場面や、自分の不得意な作業に取り組む時、つい逃げたくなることがありますよね。でも、その「やりたくない」という感情は、自分が今の心地よいゾーン(コンフォートゾーン)に留まりたいというサインなのです。そのコンフォートゾーンを越えることが、あなたを新しいレベルへと導いてくれます。

最初は不快に感じるかもしれませんが、実際にやりたくないことに挑戦してみると、その後に得られる達成感や成長の実感はとても大きいです。さらに、こうした「やりたくないこと」を一度克服すると、それが徐々に「できること」に変わり、次にやってくる新しい挑戦に対しても、前向きに向き合える自信がついてきます。

「やりたくないこと」に挑戦することこそが、現状を変える大きな鍵です。次に「これ、やりたくないな」と感じたとき、それをあえてやってみる勇気を持ってみてください。その先には、今までとは違う自分に出会える可能性が広がっているはずです。

抵抗を超えて新しい自分へ

私たちは誰しも、変わりたいと思いながらも、目の前に立ちはだかる「抵抗感」に阻まれることがあります。新しいことに挑戦したい、自分を成長させたいと思いながら、心の中で感じる不安や迷いが、なかなか前に進めない原因となることが多いです。しかし、その抵抗感を超える瞬間こそ、新しい自分へと生まれ変わるきっかけなのです。

抵抗感は、変化への恐れや不安の表れですが、実はそれが成長の前兆であることも多いです。大きな変化や成長は、心地よい場所にいるだけではなかなか得られません。むしろ、その抵抗感を感じるということは、あなたが今までいた場所から一歩踏み出そうとしている証拠です。

抵抗を超えることは簡単ではありません。しかし、その壁を乗り越えた先には、新たな発見や可能性が広がっています。自分の限界を超える体験は、たとえ小さな一歩であっても、今までとは違う視点や力を与えてくれます。抵抗を感じる時こそ、「これは自分が次のステージに進むチャンスだ」と捉え、勇気を持って一歩踏み出してみてください。

抵抗の先には、必ず新しい自分が待っています。その一歩が、小さくても大きくても構いません。大切なのは、恐れずに行動すること。抵抗感を乗り越え、成長する自分を信じて前に進むことで、今まで見えなかった新しい自分に出会えるはずです。

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スピリチュアル、脳科学、心理学を融合したチャネリングを学び、ヒーリングの手法と合わせて、遠隔ヒーリングで心と身体を癒すお手伝いをしています。元気で活動するには、まずは、心と身体を整えること。上手くいかないことも、心と身体を整えていくと、思考が変わり、見え方が変わり、現実が動き始めてきます。《スピリチュアルを信じる信じないから、使う使わないへ…》あまりピンッ!張りつめていると、いつかポキッとおれてしまいます。しなやかに軽やかに、日々を過ごして参りましょう♪